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4、ローカルSEOの内部対策

 

これまでローカルSEOの1つ目の目標である「検索結果ページ上に表示される地図部分に表示され、かつその上位に表示させるための対策」について述べてきましたが、ここからはローカルSEOの2つ目の目的である「地図の下に表示される通常の自然検索結果の上位に表示される対策」について解説します。



上位表示しやすいサイト構成


検索結果ページの自然検索部分で上位表示するために最も重要なのは上位表示しやすいサイト構成にすることです。


上位表示しやすいサイト構成は:


1. トップページでは事業所が所在する地域名での上位表示を目指す


2. サブページでは近隣の地域名、または細かな地域名での上位表示を目指す


3. トラフィックを増やすためのお役立ち情報ページを充実させる


の3つの要素から成ります。


このサイト構成を採用することにより、そうしない場合に比べて上位表示する確率が高まることが数々の実験の結果分かってきました。


1. トップページでは事業所が所在する地域名での上位表示を目指す


Googleはサイトの地域性を分析します。そのサイトがどの地域の人が見るべきサイトなのかを数々のアルゴリズムによって判断します。


その判断基準の1つは「そのサイトの運営者がどこに所在しているのか?」という運営者の所在地です。


例えば、東京都新宿区で開業している整体院がサイトを作りWeb集客を始めたとします。その場合、そのサイトを見たがる見込み客は新宿区内に在住あるいは勤務している人達の可能性が高くなります。何故なら整体院は比較的店舗の数が多く飛行機や新幹線に乗って遠くまで出向くところではなく、極力地元や通勤途中にあるところに行くものだからです。


この意味で「整体院」というキーワードは地域性が高いキーワードに分類されることになります。


こうした検索ユーザーのニーズを推測しているGoogleとしては、「整体院」というキーワードで検索をしたユーザーがどこで検索したのかその位置情報を把握します。


位置情報はユーザーがスマートフォンでネット接続している場合も、自宅や事務所のパソコンでネット接続している場合もどのアクセスポイントからネット接続しているのかを知ることにより割り出すことが出来ます。


そしてユーザーが新宿区内にいることをGoogleが認識した場合や、ユーザーが「整体院」というメインキーワードの後ろに地域を絞り込むための「新宿」という地域名を追加して「整体院 新宿」で検索した時には、新宿区内に所在する整体院のサイトを上位表示させようとします。


そうしなければ、新宿区内の整体院を探しているユーザーが行くことがない遠い場所にある整体院が出てきてしまいます。そうしたことが続けばGoogleが提供する検索結果情報への信頼が失われることになります。


Googleのこうした事情を知れば、サイト運営者がすべきことは明確です。


それは自社サイトは基本的に自社が所在する地域名では上位表示しやすいが、所在しない場所の地域名では上位表示が困難だということです。


こうした理由により自社サイトを地域名付きの「整体院 新宿」のような複合キーワードで上位表示を目指す際は第一目標にすべき地域名は自社が所在する地域名にすべきだということになります。


そしてそれはサイトの中でも最も強いページであるトップページで狙うべきです。何故なら競合他社のサイトも同じ地域に所在している限り、そこには一定の競争があり、新宿のような大きな街の名前はもちろん、人口の少ない地域でもすぐに上位表示出来るという簡単なものではないからです。


トップページを「整体院 新宿」で上位表示を目指す場合、もう一つ注意しなくてはならないことがあります。


それはトップページを他のメインキーワードや他の地域名で同時に狙うことは避けるべきだという点です。


トップページで上位表示を目指すべきキーワードは本来、サイト全体のテーマです。この例の場合サイト全体にわたり新宿で開業している整体院の提供するサービスや、そこで働くスタッフ達のこと、そしてそこに来た患者さんたちのことがそれぞれのページに書かれているとします。


その場合、サイト全体のテーマは「整体院」ということになります。そしてその整体院が所在するのが「新宿」です。だからこそ、トップページを「整体院 新宿」で上位表示を目指すことはGoogleのサイト分析のアルゴリズムと合致しており、それが上位表示の可能性を高めます。


にも関わらず、サイト運営者がこのサイトのトップページを「腰痛治療」というキーワードや「腰痛治療 新宿」で順位を上げるためにトップページの目標キーワードを:


①整体院
②整体院 新宿
③腰痛治療
④腰痛治療 新宿


の4つの目標キーワードに設定したとします。


この場合、①と②はサイトテーマと一致しているので問題はありませんが、③と④は一致していません。③や④でトップページを上位表示させるにはサイトにある全てのページ、あるいはほとんどのページを腰痛の治療についてのコンテンツに作り変えなくてはなりません。


しかしそうすると今度は①や②のキーワードでトップページを上位表示することが困難になってしまいます。


ではどうすれば良いのかというサイト内に腰痛治療に関するサブページを作りそのページを「腰痛治療」や「腰痛治療 新宿」で上位表示を目指せば良いのです。


しかし、1ページだけ作ったとしてもどんなに文字や画像などのコンテンツが多くても競争が激しいキーワードならば上位表示は困難になります。その場合は、複数の腰痛治療に関するページをサイト内に増やして腰痛治療のサブページをまとめるカテゴリページを作るのです。そしてそこから腰痛治療のサブページにリンクを張ればそのカテゴリページが「腰痛治療」や「腰痛治療 新宿」で上位表示されやすくなります。



こうしてトップページ以外のページもそれぞれのページに適した目標キーワードを設定することによりGoogleのアルゴリズムに沿った無理のないSEOをすることが可能になります。


2. サブページでは近隣の地域名、または細かな地域名での上位表示を目指す


この「サイト内の各ページに適切な目標キーワードを設定する」ということは地域名についても言えます。


トップページは整体院が所在する新宿、または新宿が属する東京という地域名を含む複合キーワードで上位表示を目指すことは許されます。


しかし、東京都内の他の地域名でもトップページを上位表示させるのには無理が生じます。何故なら個々のページの目標キーワードは少なければ少ないほど上位表示に有利になるからです。


では、新宿近辺の大久保、目白、代々木等の地域名を含む複合キーワードでの上位表示は諦めなくてはならないのでしょうか?


そのようなことはありません。対策は、大久保は大久保のページを、目白は目白のページをというように1つ1つの地域名に対応するサブページを作ることです。


具体的には、大久保から来てくれた患者さんからもらった患者さんの声を1ページ作りページの中に大久保という言葉を不自然にならないように散りばめることです。


タイトルタグ、メタディスクリプション、H1タグなどには:


<title>大久保からお越しいただいた患者様の声│新宿駅から徒歩5分にあるスマイル整体院</title>


<meta name="description" content="大久保からお越しいただいた患者様の声です。スマイル整体院は新宿にある初回無料診断を実施しています。創業20年の安心と信頼の整体院です。" />


<h1>大久保からお越しいただいた患者様の声(1)</h1>


のように不自然でならないように大久保という言葉を含めるのです。


そして本文には2回か3回くらい大久保という言葉を含めて上位表示がしやすい800文字以上のオリジナル文章を掲載します。


そうすることにより様々な近隣の地域名で上位表示しやすいページを無限に増やすことが可能にになります。


作った後に様子を見て順位が思ったように上がらなかったらそのページのコンテンツ量を増やしたり、さらに同じ地域の患者さんの声のページを作りそのページからリンクを張ることが上位表示に貢献します。


そしてそれでも不十分なら外部対策としてソーシャルメディアや別ドメインのブログ等から紹介のためのリンクを張りトラフィックを増やし、被リンク元を増やすのです。


3. トラフィックを増やすためのお役立ち情報ページを充実させる


こうしてトップページは整体院が所在する地域名を含む複合キーワードで上位表示を目指し、それ以外のサブページでは近隣の地域名を含む複合キーワードでの上位表示を目指して行きます。


しかし、このことは一見論理的な判断に見えますが、1つだけ大きな盲点があります。それは、そうした地域性が高いローカルなテーマのページだけではサイトのトラフィックはあまり増えないというトラフィックの問題です。


Googleはたくさんの訪問者が訪れるトラフィックが多いサイトを高く評価して上位表示させようとします。


トラフィックを増やすためには新宿やその近隣にいる人でかつ整体院に行くことを検討している見込み客にしか有益でないコンテンツだけしか無いサイトでは不十分です。


何故ならそうした状況の人達は全人口の中のほんの僅かな数しかいないからです。


ではどうすればトラフィックが増えるのかというと、より広い層の人達、他の地域の人達にとっても有益なコンテンツをサイト上で提供することです。


具体的にそれはどのようなコンテンツかというと:


・腰痛が何故起きるのかその原因について


・腰痛が起きた時にすべきこと


・腰痛を自分で和らげるために出来ること


やその他の症状の原因や対策について全国どこにいる人達にとっても知りたそうなことを予測してそれらを分かりやすく文字や、画像、出来れば動画なども用いて説明する全国向けのコンテンツです。


こうした全国どこにいる人にとっても一定のメリットがある全国向けコンテンツもサイト内に増やすことが意外にもローカルSEOで成功するための秘訣なのです。


これはローカルSEOのパラドックス(逆説)とも言えます。


ローカルSEOのパラドックスとは = 特定の地域名で上位表示したければその地域をテーマにしたページだけをサイト内に増やすのではなく、トラフィックを増やしGoogleによるサイトの評価を高めるために全国の人達にもメリットのあるページを一定数持たなくてはならない


というものです。


【ローカルSEOで成功するためのサイト構成モデル】




ドメイン名


地域性が高いキーワードで上位表示しているサイトの多くがサイトのドメイン名に地域名を含めています。



あるいは地域名ではなく、メインキーワードをドメイン名に含めているところも統計的に上位表示している傾向が見られます。



無論それだけで上位表示出来るというものではありませんが、新しくドメイン名を取得する時はドメイン名にトップページで上位表示を目指すキーワードに地域名やメインキーワードを含められる時は含めた方が上位表示にプラスに働くことは確かです。



その他URL


すでにドメイン名を取得してサイトを運営している場合は、ドメイン名以外にもサブドメイン名、ディレクトリ名またはファイル名に目標キーワードを含めるとそうでない場合に比べて若干上位表示に有利に働きます。可能な場合は含めたほうが良いです。


【サブドメイン名】
 yokohama.seitai.co.jp


【ディレクトリ名】
 www.seitai.co.jp/yokohama/index.html


【ファイル名】
 www.seitai.co.jp/yokohama-koe.html


しかし、同じキーワードを1つのWebページのURLに繰り返し入れることはGoogleが作成した「Google General Guidelines」によるとペナルティーの対象になるということがわかっているので避けるようにして下さい。



会社名・団体名


本章の冒頭でGoogleは Name(ビジネス名)、Address(住所)、Phone(電話番号)のNAP情報を重要視していると述べましたがこれは地図検索だけではなく自然検索にも同じことが言えます。


会社名や団体名に目標キーワードを含めることが出来る場合は含めると上位表示に有利になります。


【上位表示に有利な会社名・団体名の例】


 新宿整体院、大阪弁護士事務所、厚木駅歯科医院、杉並インプラントセンター



サイト名


会社名や団体名を途中で変えるのは費用と手間がかかりますが、それに比べるとサイト名は誰でも自由に決めることが出来るので現在、目標キーワードが含まれていないサイト名でサイトを開いていて、変更可能な場合は変更するべきです。


【上位表示に有利なサイト名の例】


 大阪治療院ナビ、名古屋相続相談センター、不用品買取EXPRESS福岡店


ただし、すでに現在のサイト名が広く認知されている場合は、急にサイト名を変更するとこれまでの顧客がサイトを見つけられなくなり売上が激減することがあります。


こうしたことを避けるためにはサイト名を変更する前に既存客にサイト名変更のお知らせを出すことと、新しいサイト名の下に「旧 XXXXX」というように1年くらいの間は古いサイト名も併記しておくと良いでしょう。


もう一つ注意すべきことは商標登録の問題です。他社がすでに商標登録をしている名前をサイト名に使うと商標侵害になり賠償金を請求されたり、後でサイト名を変更しなくてはならないことがあります。そうしたことを避けるためには商標登録検索サイト


https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage


などで事前に確認してなるべく商標登録をした方が安全です。



サービスブランド名


会社名・団体名も、サイト名も変更することが出来ない場合は商品名や、サービスブランド名に上位表示を目指すキーワードを含めると上位表示に有利になりますので検討する価値があります。


【上位表示に有利なサービスブランド名の例】


 沖縄ダイビング倶楽部 、神戸お取り寄せチーズケーキ、オーストラリア激安ツアー



ページ内テキストリンク


サイト内にあるページから同じサイト内にある別のページにリンクを張る時は地域名か、地域名を含めたフレーズでリンクを張った方がリンクを張られたページがその地域名を含む複合キーワードで上位表示しやすくなります。


次の図は「新宿駅の家賃相場」のページを「新宿駅 家賃相場」で上位表示をするために「新宿駅の家賃相場」というフレーズでリンクを張っている例です。



しかし、このことは一歩間違えると過剰なSEOになってしまい上位表示しやすくなるどころか、ペナルティーを受ける原因にもなります。


この手法を講じる時は、ページ内の10%以下のリンクに対して行うようにして下さい。


例えば、1つのページ内にテキストリンクが100箇所あった場合、様々な地域名を含めてリンクを張るのはそのうち10箇所程度にすればユーザーにしつこい印象を与えずに済みますのでユーザーに見やすいサイトの上位表示を目指すGoogleにも悪く評価されづらくなります。



アクセスページ


地域性が高いキーワードや地域名を含んだ複合キーワードで上位表示しているサイトの共通点の一つがアクセスページがあることと、アクセスページのコンテンツが充実していることです。


通常アクセスページとは、そのお店や事業所への道順や手作りの地図、Googleマップの貼り付けや、住所等の所在地のコンテンツがあるページです。


アクセスページを徹底して作りこんでいるページには駅や主要幹線道路からの道順を途中の建物や風景の写真も掲載しています。また最近では動画で撮影してYouTubeにアップしてページに貼り付けているところもあります。


仮説として考えられるのはGoogleはサイト内にアクセスページがあるかどうか、そしてそこにどれだけ特定の地域に関するローカルコンテンツがあるかをローカルシグナルとして評価しているということです。


【語学学校のサイトにあるアクセスページの例】



ローカルシグナルとは = 特定のWebサイトやWebページがどの地域の事業体のものかを示すGoogleにとっての手がかりとなる情報のことを言います。


このことはローカルSEOの成功だけではなく、実際の来店率を上げるという成約率アップにも貢献しますので極力アクセスページを作ることと、そのコンテンツを充実させることを目指して下さい。



Googleマップ情報


Googleに特定の地域にあることを認識してもらうためにGoogleマップを自社アクセスページに張ったり、全ページのフッターやサイドメニューの一番下に貼り付けているサイトも増えてきています。そうすることによりローカルシグナルを発してGoogleに高く評価してもらうことを目指せます。


GoogleマップのWebページへの埋め込み方法は:


「地図を埋め込む、場所を共有する」
https://support.google.com/maps/answer/144361?co=GENIE.Platform%3DDesktop&hl=ja
で詳しく解説されています。



ローカル性の高いコンテンツ


特定の地域をテーマにしたローカル性の高いコンテンツをサイト内に増やすことによりGoogleはそうしたページをローカル性の高いキーワードで上位表示するようになります。


ローカル性の高いコンテンツを増やす手法としては次のようなものがあります:


(1)その地域の人からの質問に回答するQ&A


(2)その地域のお客様の声、レビュー


(3)その地域の相談事例


(4)その地域の人とのカウンセリングレポート


これら4つのテーマのページは最低でも800文字以上のオリジナル文章を掲載して、出来れば画像も載せるようにするとGoogleからの評価を高めることが目指せます。


そしてタイトルタグ、メタディスクリプション、H1などの3大エリアと本文には上位表示を目指す複合キーワードに含まれる地域名をしっかりと書くと上位表示に貢献します。


(5)その地域のマスコミの掲載実績、受賞歴


強力なローカルシグナルを発するコンテンツの1つが特定の地域の事業者しか掲載されないローカルメディアに掲載されることや特定の地域の事業者しか受賞出来ない賞を受賞した様子を報告するページを作ることです。


地域のマスコミに取材を受けた時や自治体や組合などの公共団体から賞を受賞した時は必ずそのことをサイト内のマスコミ実績ページや受賞歴のページで報告するようにして下さい。


(6)その地域の社会貢献活動報告


(7)ドメイン内ブログを設置して業務に関する記事を書き、記事内に2,3回地域名を書く


事業所内での出来事を地域名を含めて記事化するとローカルコンテンツが増えていきます。しかし、地域そのものをテーマにした記事を増やすのは危険なので避けるようにして下さい。地域そのものをテーマにした記事とは地元の歴史のことだけの記事や、地元のグルメ情報などの記事です。上位表示のためには業務に関する記事を書き、その中に複数回地域名が書かれているのが理想です。


(8)その地域のお役立ちリンク集


自社サイトが上位表示を目指す地域名にちなんでその地域の人達に役立つと思われるリンク集ページを作ることもローカルシグナルを発するのにプラスになります。


ただしそうしたリンク集ページが多くなるとテーマが業務のこととかけ離れてしまうので地域のお役立ちリンク集は1ページだけ作る程度にした方が安全です。


以上がローカルシグナルを発して特定の地域のサイトであることをGoogleに強く認識してもらうためのコンテンツの作り方です。工夫次第で競合他社のサイトよりも上位表示するためのローカルコンテンツを増やすことは可能です。



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