ブログとは何か?その意味と普及の理由

今回は、ブログとは何か、そしてどのようにしてブログが情報発信ツールとして発展したのかについて解説します。

まず、ブログとは何かですが、ブログは、もともとは個人的な意見や情報をインターネット上で公開するプラットフォームとして誕生し、現在では企業や団体に集客ツールとても活用されるようになったものです。ブログの機能は多岐にわたります。情報の発信、意見の共有、そして最も重要なのが、企業や個人がウェブ上で集客するためのツールとしての役割です。しかし、ブログが持つ本質的な役割は何でしょうか?それは、コミュニケーションの場としての機能です。人々が自由に意見を交換し、情報を共有できる場を提供することにあります。

目次

ブログでの情報発信を始めるには?

では、ブログを使い始めるためにはどうすればよいのでしょう?ブログ開設の方法は大きく分けて二つあります。一つはAmebloやLivedoor blogなどの無料ブログサービスを利用する方法です。

もう一つは、少々費用はかかりますが、より自由度の高い独自ドメインを使用する方法です。そして独自ドメインブログでよく使われるのが、ブログのナンバーワンブランドとも言えるWordPressというCMS(コンテンツ管理システム)です。「CMS」とは、「Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム」の略で、簡単にいうとWebサイトのコンテンツを構成するテキストや画像、デザイン・レイアウト情報(テンプレート)などを一元的に保存・管理するシステムのことです。

ブログの歴史

そして、ブログの現代的な役割に目を向けると、ブログが誕生した当初と比べて、その役割は大きく変化しています。現在、ブログはどのように進化し、どのように私たちの日常に根ざしているのでしょうか。この問いに答えを出すためには、ブログの変遷を見ていく必要があります。

ブログという言葉は、もともと「weblog」という言葉から派生しました。これは、「Web」と「ログ」、つまりウェブ上での個人的な日誌や記録を意味します。ログとは、日誌や記録のことで、船長が航海日誌に記録を残すように、個人や企業が日々の活動を記録するものです。

この「weblog」が時間を経て短縮され、「ブログ」という言葉になりました。ブログは、単に個人や企業の日常や意見を記録するだけでなく、情報発信の強力なツールとなりました。昔は、情報発信には限界がありましたが、ブログを立ち上げることで、誰もが自分の声を簡単に世界に届けることができるようになりました。

ブログのもう一つの魅力は、情報発信をするのに専門的な知識が不要であることです。確かに、ブログを設置するためには、プログラミングやウェブデザインの専門知識が必要な場合もありますが、一度設定が完了すれば、ほとんどのユーザーは特別な技術知識なしにブログを運用できます。これは、企業の総務担当者やウェブ制作担当者など、ウェブに詳しくない人々にもブログを気軽に使ってもらうための大きな利点です。

ブログは、その使いやすさとアクセシビリティの高さから、情報発信の世界に革命をもたらしました。このデジタル時代において、ブログは誰もが自分の声を世界に届けることができる強力なツールとして、変わらずに重要な役割を果たしています。

ウェブサイトを設置するのには技術的な知識が必要だった

ウェブサイトの登場は、インターネット上で情報を発信する基本的な手段でした。個人や企業が自らの声を世界に届けるためには、ウェブサイトを持つことが必須だったのです。しかし、ウェブサイトの設立は一筋縄ではいかない面倒な作業でした。

当時、情報発信のための代替手段として電子掲示板がありました。これらは気軽に利用できる反面、自分の完全な所有物とは言えず、制限が多かったのです。ウェブサイトを持つことにより、デザインやコンテンツの100%の制御が可能になりました。ただ、ウェブサイトの構築は技術的な困難さと時間がかかる作業でした。

この問題に一石を投じたのが、無料ホームページ作成サービスや無料レンタルサーバーでした。これらのサービスは、誰もが手軽にウェブサイトを持つことを可能にし、その魅力は非常に大きかったのです。私はかつてオーストラリアで教師をしていましたが、1996年くらいにインターネットを初めて体験して衝撃を受けました。そして何か自分でも情報を発信をしたいと思い、ウェブサイトの作り方を学び、その資金を稼ぐためにオーストラリア、米国、日本の企業や団体のためにウェブ制作サービスを提供していました。

《米国のYahoo!、日本のYahoo! JAPANが運営していた無料のウェブサイト提供スペース「ジオシティーズ」》

そうした中で複数のクライアント企業が無料ホームページ作成サービスや無料レンタルサーバーを持ちたいという相談が来たため、自分で作り方を調べて無料ホームページ作成サービスや無料レンタルサーバーを制作しました。納品したシステムを持て余したクライアントから引き継いて無料ホームページ作成サービスや無料レンタルサーバーを運営していたことがあります。その当時はブログは発明されていませんでしたので何万人もの人たちがサービスを使ってくれていました。

しかし、ブログが発明されて以来、無料ホームページ作成サービスや無料レンタルサーバーを使うユーザーは年々減少しました。ブログは、ウェブサイトを立ち上げることの複雑さを大きく減少させたばかりでなく、無料ホームページ作成サービスや無料レンタルサーバーを申し込み、利用する手間を省いたシンプルな操作性を提供したからです。ブログの利用には技術的なハードルが低く、誰もが容易に操作し、情報発信ができるようになったのです。ブログの登場は、ウェブ上での情報発信のあり方を根本から変えたと言えます。ウェブサイトのような複雑さはなく、電子掲示板のような制限もありません。これは、インターネットの歴史において、一大転換点となった瞬間だったのです。

《Googleが2003年に買収したレンタルブログサービスBlogger(ブロガー)》

無料ホームページ作成サービスや無料レンタルサーバーも操作は簡単ではなかった

このようにブログが普及する前は、ジオシティーズのような無料レンタルサーバーや無料ホームページ作成サービスが使われていました。しかし、これらのサービスは簡単なようでいて、実際にはかなり複雑でした。ウェブサイトを作成し運営するには、200を超える様々な手順を理解し覚える必要があったのです。

例えば、ウェブサイトを作成するためには、画像のアップロード、テキストの編集など、多くのステップを踏む必要がありました。ユーザーは、ホームページビルダーやAdobeのページメーカーのようなツールを使って自分のウェブサイトを作成していました。これらのツールは便利ではあったものの、それでも100や80の様々な手順を覚える必要があり、一つのページをウェブにアップロードするのも一苦労でした。

《Adobeのホームページ作成ソフト「ページメーカー」》

当時のパソコンショップに行ってパッケージを購入し、CDやフロッピーディスクをパソコンに挿入し、ソフトウェアをインストールするというプロセスは、時間がかかり、分厚いマニュアルを読みながら操作方法を覚える必要がありました。

そんな中、ブログという革新的なツールが登場し、情報発信の世界は一変しました。ブログは、その使いやすさとアクセシビリティで、急速に人気を博しました。ブログでは管理画面のフォームに必要事項を入力し、送信ボタンを押すだけでページが作成されます。この手軽さは、ウェブサイト制作のハードルを大幅に下げ、誰もが簡単に情報発信ができるようになったことを意味します。例えば、私が運営しているモバイル時代のSEO情報ブログの管理画面では、ブログのタイトル、サブタイトル、トップページに表示する記事の数、カテゴリー数などの基本設定を簡単に行うことができます。これらの設定は約5分程度で完了し、すぐにブログの運用を開始できるのです。

《出典》ブログの仕組み

このように、ブログはそのシンプルさと手軽さで、ウェブ上での情報発信の概念を一新しました。これが、ブログが広く普及した主要な理由なのです。

ブログの記事を作成する流れはとてもシンプル

ブログの魅力は、簡単かつ迅速に記事を書いて公開できる点にあります。例えば、新しい記事を書こうと思ったら、「新規ページ」を選択して、すぐに執筆を始めることができます。ブログでは、記事の作成日時が自動的に取得され、それをブログに表示させることが可能です。これは、従来のホームページビルダーやテキストエディターを使って手動でウェブページを作る場合とは大きく異なります。そういったツールでは、日付や時刻を自分で入力する必要がありました。

《WordPressの管理画面》

さらに、ブログでは多くのプロセスが自動化されています。例えば、ブログの投稿日時は自動で記録され、これだけでかなりの作業時間を削減できます。カテゴリー選択も簡単で、書こうとしているブログのトピックに応じて選ぶだけです。ブログのタイトルやファイル名は通常自動で決定され、カスタマイズするオプションも提供されています。例えば、特定のURLを作成することも可能です。

記事の執筆では、挨拶文から始め、トピックに関する内容を書いていきます。画像の挿入も簡単で、管理画面にアップロードした画像を挿入することができ、ソースコードの手入力は必要ありません。全てが自動的に処理され、プレビュー機能を使うことで、実際に読者がどのようにページを見ることができるのかを確認できます。

これらの機能のおかげで、ブログはウェブ上での情報発信を大きく変革しました。使いやすさと効率性は、ブログが広く受け入れられた主要な理由の一つです。

ブログは記事をデータベースに保存する

ブログのもう一つの大きな利点は、データベースに情報が保存される点です。WordPressはMySQLのような強固で信頼性の高いデータベースを使用しており、管理者が入力した情報は整然と記録され、データの安定性と高速な読み込み速度が保証されます。何十万ページといった大規模なサイトも作成可能で、これまでウェブに詳しくなかった人々も、ブログの管理画面の操作方法を学ぶだけで、企業のウェブ運営に積極的に関わることができるようになりました。

ブログの出現は、ウェブサイト制作と運営の方法を根本的に変え、ウェブ上での情報発信のハードルを大幅に下げました。ブログは単なる情報発信のツールではなく、コミュニケーションの新たな形を生み出し、私たちの日常生活に深く根付くようになったのです。そして現在、多くの企業が見込み客を獲得するための強力な集客ツールとして使うようになりました。

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ウェブマスター検定公式テキストの著者。他にSEO検定公式テキスト、世界一やさしい ブログSEOの教科書 1年生等、SEO、ウェブマーケティングの著書多数。
→ 著者紹介

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