ウェブサイトとは何か?その魅力と仕組み

前回の記事では、ウェブ上に生まれた15のサービスについて解説しました。今回は、その1つ目のサービスである「ウェブサイト」とは何かについて解説します。ウェブサイトの根本的な意味を知ることにより今後のウェブマーケティングの学習がはかどるようになるはずです。

目次

ウェブサイトの意味

まず、ウェブサイトとは何かということですが、これは「ウェブ上に存在するウェブページの集合体」を指します。ウェブ上には様々なウェブサイトが存在しますが、実際にユーザーが見るのは個々のウェブページです。これらのページが集まって形成されるのがウェブサイトです。

例えば、Wikipediaにアクセスすると、そこには数えきれないほどのウェブページが存在します。Wikipediaに50万ページがあるとしたら、それら全てのウェブページがWikipediaという1つのウェブサイトを構成しているのです。

ウェブサイトには、個人や法人、団体、政府などの主体が記事を書き、情報を発信できる仕組みがあります。ブログはその一例で、実はブログもウェブサイトの一種です。

サイトとは?

私は「サイト」という言葉が好きです。これには特別な意味があるからです。英語で「site」というと、敷地や場所を意味します。例えば、UFOが目撃された場所を「UFO sighting site」と呼ぶように、「サイト」とは特定の場所を指す言葉です。このように、ウェブサイトは、企業や政府、団体、または個人がウェブ上で情報を発信するための「情報拠点」として機能します。私にとって、ウェブサイトはまるで基地のようなもので、情報発信の基地としての役割を果たしています。

ウェブが普及する前に新しい情報を得るためには本屋に行くか、新聞を読むしかありませんでした。古い情報の場合は図書館にいって本や雑誌を借りるしかありませんでした。

そして、その情報はすべて紙ベースでした。紙は時間とともに劣化したり、場所を取るというデメリットがありました。また、どの本や雑誌、新聞にどの情報が載っていたかを追跡するのも難しかったです。しかし、今ではウェブサイト上で誰もが情報を発信し、アップロードすることで、世界中の人々がそれを閲覧できるようになりました。これは非常に革命的な変化です。ウェブサイトは、誰もが情報拠点を持てる時代を象徴しており、私にとっては非常に魅力的な存在です。

SNSアカウントとウェブサイトの共通点

InstagramやFacebookなどのSNSが普及している現在では、SNSの世界における「アカウント」という概念もウェブサイト的な性質を持っています。つまり、SNSで自分のアカウントを持てば、そこで自由に自分の考えを投稿できるという点でSNSのアカウントも、ウェブサイト的な要素を持つものと言えます。SNSのように手軽に情報を発信するツールが普及するまでの間は、ウェブ上での情報発信の拠点はウェブサイトか、ブログしかありませんでした。

私がウェブマーケティングの仕事を始めた当初、「ウェブサイト」という言葉と概念に非常に魅了されました。何でも良いからウェブサイトを見るだけで幸せだった時期がありました。

私がウェブサイトに魅了された理由

その頃の話を少しします。20年以上前のことですが、私は「PCワールド」という雑誌を読んでいました。この「PCワールド」という今思えばとてもページ数が少なく薄い雑誌を、当時オーストラリアに住んでいた私は、「ニュースエージェント」と呼ばれるお店でほとんど毎月購入していました。ニュースエージェントとは雑誌や宝くじ、お菓子、タバコ、飲み物などが売っている日本で言うコンビニのような小規模なお店のことです。

私は歩いたり車でニュースエージェントに行き、ワクワクしながら本棚を見ていました。新しい「PCワールド」やそれに似たインターネットやパソコンに関する雑誌が売っているかな、と探していました。この雑誌をめくると、面白いウェブサイトが毎回いくつも紹介されていたのです。当時は、このようなパソコン雑誌がGoogleのような役割を果たしていました。まともなサイトが少なかったので、雑誌で紹介できるほどの世界だったのです。今ではウェブサイトが多すぎて、そんなことはできませんが、当時は数がとても少なかったので、雑誌でその時々の新しいウェブサイトを発見するだけで満足でした。とても面白い時代でした。

当時の私は、こうした雑誌を読むうちに、そこから自然とウェブサイトを作りたいと思うようになりました。そして、自分で作ることが可能だということに気がづいて、やってみようと思い趣味のサイトをいくつか作ることに成功しました。その後、オーストラリアや米国の友人や知人のサイトを作ることから始め、日本の友人の知り合いの企業や団体のサイトを制作するようになりました。

ウェブサイトの原理

ウェブサイトを公開する際に絶対に理解しておくべき基本原理があります。それは、ウェブサーバーとクライアントの関係です。この関係を理解しなければ、ウェブサイトの世界は始まりません。私がこのウェブサーバーとクライアントの関係がわかったからこそ、ウェブサイトの制作が可能になったのです。

ウェブサーバーとは?

まず、ウェブサーバーとは何かというと、インターネットという巨大なネットワークの中に存在するサーバー(多数のファイルを格納する比較的規模が大きなパソコン)のことです。

クライアントとは?

クライアントとは、ウェブサイトを見るユーザーのことです。例えばユーザーがYahoo!JAPANというウェブサイトを見たいと思ったら、「https://www.yahoo.co.jp」というURL(ウェブアドレス)を入力し、エンターキーを押します。すると、インターネット回線を通じて、遠くにあるウェブサーバーに接続し、そこにアップロードされたデータを取得します。このデータは、入力されたURLを手がかりにして探し出され、海底ケーブルや衛星通信を通じて信号の形で届けられます。このやりとりは、HTTPというプロトコルを使用した通信によって行われます。

そして、クライアントはウェブページを閲覧できるようになります。これは、雑誌を見ているような感覚です。私が最も好きなのは、ウェブページの文章の中にリンクを意味する下線が引かれている場合、そこをクリックするとその文章内の言葉に関連するウェブサイトに飛ぶことです。そのウェブページの文章の中でまた興味深いことが書かれていれば、そのリンクをクリックして別のサイトに飛びます。これはまるで無限ループのようで、壮大なリンクの連鎖が存在します。これが「ハイパーテキスト」という概念です。ウェブページのファイル、例えば「.html」ファイルは、Hyper Text Markup Language(ハイパーテキストマークアップ言語)で作られています。これは通常のテキストですが、「ハイパー」、つまり他のページや領域へジャンプする能力を持っています。

リンクとはワープのようなもの

これはSFファンにとってはワープのようなものです。ページとページの間をワープするようなものだからです。一つのページから別のページへと、国内外を問わずに移動できます。どこに飛ばされるかわからないということを考えるだけでワクワクしたものです。

インターネットが始まった当時、日本にはあまりサーバーがなく、ほとんどのサーバーは米国等の欧米の国々にありました。レンタルサーバーを借りる場合も、主に米国やイギリスなどの国々から借りていました。そのため、見るものが、日本語のコンテンツであっても、ほとんどが米国等遠隔地にあるサーバーにアクセスしていたのです。米国はインターネットを始めた国であり、インターネット関連のサービスが無料だったり安かったりしたためです。一方、日本やオーストラリアではサーバーのレンタルはまだ高価な状態でした。

ハイパーテキストマークアップ言語

これこそがグローバルネットワークの真髄です。ウェブページのファイル、つまりHTMLは、ハイパーテキストマークアップ言語で記述されています。これは、ウェブページを超越するテキストをマークアップ、つまり記述する言語です。ウェブサイトはウェブサーバー上に設置され、遠隔地のコンピューターサーバーに置かれています。これらのサーバーは、ユーザー(クライアント)の要求に基づいて情報を提供します。これは、テニスでのサーブやサービス産業での提供と似ています。例えば、ウェイターやウェイトレスがお客様(クライアント)の要望に応じて、食べ物や飲み物を提供するようなものです。

このプロセスは全自動で行われ、キーボードやマウスを使って操作されます。HTML、つまりハイパーテキストマークアップ言語の実際の例を見てみましょう。

ハイパーテキストマークアップ言語は<head>や<a>、<img>等の記号によって構成されます。これらはタグと呼ばれるもので文書内のどこからどこをどのように表現するかを指定する記号です。例えば、「この文書のこの部分は見出しです」だとか、「ここからここまでがリンクです」、「ここからここまではフォントの色が赤です」だとか、「ここからここまではフォントを太字にしてください」といった具体的な指示をマークアップで記述していきます。これらはメモ帳やテキストエディターなどで作成できます。

以上が、ウェブサイトの意味とその仕組についてです。

この根本的な知識があれば、ウェブサイトを活用した集客活動 – ウェブマーケティングを学ぶ上で色々なことを理解しやすくなるはずです。次回はウェブサイトがどのように生まれて、どのように発展したのか、その歴史を一緒に考えてみましょう。それではまた。

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ウェブマスター検定公式テキストの著者。他にSEO検定公式テキスト、世界一やさしい ブログSEOの教科書 1年生等、SEO、ウェブマーケティングの著書多数。
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