これまで集客といえば「SEO」、つまりGoogle検索で上位表示させることが中心でした。しかし、近年はその常識が大きく変わりつつあります。ガートナー社の調査によると、2026年までに検索エンジンの利用が25%減少すると予測されています。では、ユーザーはどこへ流れているのでしょうか?答えは「SNS」です。
SNSがなぜ今、集客において最も重要なプラットフォームとなっているのか、データと事例を交えてわかりやすく解説します。
Contents
1. Google検索の利用が減る理由
インターネット黎明期から、Google検索は私たちの情報収集の中心でした。しかし、スマートフォンとSNSの普及によって、人々の行動は確実に変化しています。
米国の調査会社 Gartner(ガートナー) は2024年2月に発表したレポートで、「2026年までに検索エンジンの利用は25%減少する」と予測しました。

これはつまり、これまでGoogle検索経由で毎日4人の顧客が来ていたビジネスなら、そのうち1人を失う可能性があるということです。
Google自体もこの変化を認識しており、近年ではAIによる検索体験(AIによる概要やAIモード)を導入していますが、それでも「ユーザーが検索する場所」が分散しているのが現実です。
2. ユーザーは今どこで商品を探しているのか?
米国のSEO専門メディア Search Engine Journal が2024年12月に行った消費者調査によると、商品・サービスを発見するために使うプラットフォームのランキングは次の通りでした。
| 順位 | プラットフォーム | 利用率 |
|---|---|---|
| 1位 | 72% | |
| 2位 | Amazon | 57% |
| 2位 | YouTube | 57% |
| 3位 | 49% | |
| 4位 | 38% | |
| 5位 | TikTok | 37% |
この結果を見ると、Googleの次に強い影響力を持つのがYouTubeとSNSであることがわかります。特にYouTubeは「動画で学ぶ」「レビューで選ぶ」文化を広げ、ユーザーが自然に購買行動へと進む場になっています。
3. SNSが「検索の代わり」になっている理由
なぜSNSがここまで商品発見の場として台頭しているのでしょうか?理由は3つあります。
(1)「検索」よりも「体験」で選ぶ時代に
SNSでは、テキスト情報よりも写真・動画・レビューといったリアルな体験が重視されます。
ユーザーは検索結果のリンクを1つずつ開くよりも、Instagramで実際の使用例を見たり、TikTokで口コミ動画を視聴したりするほうが「早く」「楽しく」「信頼できる」と感じているのです。
(2)アルゴリズムが自動で最適化してくれる
Google検索では「キーワードを入力する」必要がありますが、SNSは違います。
InstagramやTikTokは、ユーザーの閲覧履歴や「いいね」などのユーザー行動の傾向から興味のある投稿を自動的に表示します。つまり、ユーザーが検索しなくても見込み客として届く可能性があるのです。
(3)購買行動の入口がSNSに移動している
Google公式ブログでも、若年層の検索行動について次のように述べられています。
「約40%の若者は、レストランを探すときにGoogleではなくTikTokやInstagramを利用している」
この変化は一時的なトレンドではなく、購買行動の入口そのものがSNSへと移ったことを意味しています。
4. 日本国内でもSNSの利用率は驚異的に高い
総務省の「令和5年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、日本人のSNS利用率は以下のようになっています。
| 年代 | SNS利用率 |
|---|---|
| 10代(13〜19歳) | 90% |
| 20代 | 90% |
| 30〜40代 | 約90% |
| 50〜60代 | 約80% |
つまり、日本人全体の約8割(80.8%)がSNSを利用しているのです。もはやSNSは「若者だけのもの」ではなく、全年齢層が利用する情報インフラになっています。
スマートフォンのホーム画面を見れば、YouTube・Instagram・X(旧Twitter)・LINE・TikTokなど、SNSアプリがずらりと並んでいるのが一般的でしょう。通話やメールよりもSNSでのやりとりが中心になっている人も多いはずです。
5. SNSは「無料で始められる集客装置」
SNSの大きな強みは、広告費をかけずに自社や自分の発信を届けられる点です。SEO(検索エンジン最適化)と比べて、SNSは「投稿すればすぐに見てもらえる可能性がある」という即効性があります。
たとえば、Instagramで日々の活動写真を投稿したり、TikTokで短い動画を発信したりすることで、検索エンジンを介さずに顧客と直接つながれるのです。これがSNSの最大の魅力であり、いま多くの企業や個人がSNSを集客の第2の柱として重視している理由です。
《SEOとの違いを整理》
| 項目 | SEO | SNS |
|---|---|---|
| 集客の仕組み | 検索キーワードで上位表示される | 投稿が拡散・表示される |
| 成果が出るまでの期間 | 数か月〜半年 | 即日〜数日で反応あり |
| コスト | コンテンツ制作費など | 基本無料(広告も可) |
| 主な目的 | 検索ユーザーの信頼獲得 | 共感と拡散による発見 |
SNS集客を始めるうえで重要なのは、「自社や自分の世界観を発信し、共感を得る」こと。フォロワー数が少なくても、共感してくれる人に届けることができれば、そこから信頼関係が生まれ、自然と購入や問い合わせにつながります。
6. 「おすすめ表示」の仕組みを理解する
SNSで集客を伸ばすには、まず「おすすめ表示(レコメンド)」の仕組みを知ることが重要です。これは、SNSアプリがユーザーの興味に合わせて自動的に投稿を表示する仕組みです。
たとえばInstagramやTikTokでは、ユーザーがどんな投稿に「いいね」したか、どんなアカウントをフォローしているかをAIが学習しています。そのデータをもとに、「この人は美容に関心がある」「旅行系の動画が好き」といった傾向を分析し、似たテーマの投稿を「おすすめ」として表示します。つまり、あなたの投稿が「誰かの興味」に一致すれば、フォロワー以外の人にもどんどん広がっていくのです。この仕組みこそが、SNSを使った集客の原動力です。

7. SNS内検索で上位に出るには?
近年のSNSは、Googleのように「検索」機能が非常に発達しています。たとえばInstagramで「カフェ 東京」と検索すると、関連する投稿・リール・アカウント・ハッシュタグが一覧で表示されます。この仕組みを理解しておくと、SNS内SEOができるようになります。
初心者でもできる3つのポイント
① プロフィールを最適化する
アカウント名や自己紹介文に、ターゲットユーザーが検索しそうなキーワードを入れましょう。
例:「○○市の美容室」や「初心者向け英会話レッスン」など。
② ハッシュタグを活用する
投稿のテーマに合わせて、関連キーワードをハッシュタグとして入れることで検索されやすくなります。
ただし、#人気、#love など抽象的なタグではなく、#渋谷カフェ #韓国インテリア のように具体的なものを選ぶことが大切です。
③ 投稿内容にキーワードを入れる
投稿のキャプションや動画内のテキストにも、自然にキーワードを入れましょう。
AIが自動的に文章や音声を解析して、検索結果に反映する仕組みになっています。
8. SNS担当者が高収入職になっている理由
SNS運用を理解している人材の需要は非常に高まっています。LinkedInが発表したデータによると、SNSマーケティング担当者の年収は600万〜800万円に達するケースもあり、SEO担当者よりも高い水準にあります。なぜなら、企業は「今すぐ効果が出る集客」を求めており、SNSはまさにそれを実現するツールだからです。
特に以下の3つのスキルを持つ人は、企業から高く評価されます:
• コンテンツ企画力(動画や画像の構成を考える力)
• アルゴリズム理解力(どんな投稿が伸びるかを分析できる力)
• データ分析力(インサイトを見て改善できる力)
9. 企業も個人も今すぐSNSに取り組むべき理由
ここまで見てきたように、SNSはもはや「選択肢」ではなく「必須の集客チャネル」です。Google検索の利用が減少し、AIによる検索結果が要約される時代では、ユーザーと直接つながるSNSの価値がますます高まっています。
また、SNSはSEOとも密接に関係しています。Googleは公式に「SNSでの発言やエンゲージメントはランキング要素ではない」と述べていますが、SNS上でブランド名やサイト名が多く言及されると、結果的に信頼性(E-E-A-T)の向上につながるため、SEOにも良い影響を与えるのです。
10. SNS集客は「今すぐ始める」ことが最も大切
2025年現在、SNSは企業・個人を問わず最も即効性のある集客ツールです。特にInstagram、TikTok、YouTubeは、アルゴリズムによってフォロワー以外のユーザーにも投稿が広がるため、努力が結果につながりやすいのが特徴です。
SNS集客で成功するための第一歩は、「発信を止めないこと」。完璧な投稿を目指すよりも、定期的に投稿を続け、反応を見ながら改善していくことが最も重要です。
