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1、Googleの技術的特徴

 

Googleの誕生



Yahoo!カテゴリを始めとするディレクトリ型検索エンジンでは、日々爆発的に増え行くWebサイトと新しいWebページを整理するのには限界が生じてきました。


一方、1990年代当時のロボット型検索エンジンのほうは、不当な検索エンジン対策を施したWebサイトやWebページで溢れかえるようになり非常に使いづらい検索エンジンのままの状態が続きました。


そうした状況の中、1997年に彗星のように突然登場したのがGoogleというロボット型検索エンジンでした。


ページランク


Googleの検索結果は他のロボット検索エンジンと比べて圧倒的にユーザーが求めるWebページを上位に表示しているために一気にロボット検索エンジン市場の覇者になりました。


そのことを可能にした中心的な技術がページランク (PageRank)という技術です。


ページランクはWeb上の1つ1つのWebページに割り当てられる評価スコアです。計算方式は被リンク元の数と質で計算するもので、配点は0〜10の11段階評価です。


下の図にあるようにページAは2つのページからリンクがされていますが、ページBは5つのページからリンクされています。



それによりページAよりもページBのページランクが高くなります。


こうした場合Googleはより多くのページからリンクされておりページランクが高いページBの評価を高め、ページBはページAよりも検索順位が高まる傾向を持たせました。



このページランク技術の活用により人気度の高いWebページがGoogleの検索結果の上位に表示されるようになりました。


反対にそれまでページ内にキーワードを詰め込むだけでユーザーにとって有益な情報を掲載していなかったスパムを施した不正なWebページはGoogleの検索結果上位には表示されなくなりGoogleの検索結果の品質は当時の他のどのロボット検索エンジンよりも高くなりました。


そのことによりGoogleはネットユーザーの圧倒的な支持を獲得するようになり世界No.1のロボット検索エンジンの座を不動のものにすることになり今日でもその地位を維持しています。


※ 2013年12月を最後に最新の数値は一般公開されなくなりました。しかしGoogleの検索順位決定要因として依然ページランクは重要な指標であることが公表されています。


クローラー


Googleはインターネット上に存在するWebページの情報をクローラーロボットによって収集します。


WebページとWebページの間に張られたリンクを辿ることによってWebサイトを自動的に検出してスキャンします。



インデックス


クローラーがリンクを辿って収集したデータはいったんレポジトリという場所に置かれ、そこからインデックスデータベース内で情報が検索しやすいように分類されます。


「インデックス」とは「索引」のことで、人が「インデックスする」というときは「索引を作る」という意味ですが、検索ユーザーが後に検索しやすいようにデータベースにWebページの情報を分類することを言います。



インデックスされた情報は、検索サーバに渡されGoogleを使う検索ユーザーによって検索可能な状態に加工されます。Googleを使う検索ユーザーがアクセス出来るのは検索サーバのみで、その前工程では膨大なデータの処理が絶え間なく実行されています。


アルゴリズム


インデックスデータベースにインデックスされた情報はGoogleが設計した200以上のアルゴリズムによって解析され検索キーワード毎にWebページのランク付けがされ、それが実際の検索順位に反映されるようになります。


アルゴリズムとは、ある目的を達成する為のプログラムの処理手順を言います。SEOにおいては、検索エンジンロジックなどと言われ、検索順位の算定方法を意味します。


代表的なGoogleのアルゴリズムには:


(1)コンテンツの独自性


(2)外部ドメインサイトからのリンクの数と質


(3)ドメインの評価


(4)Webページ内のキーワードの書かれ方


(5)Webサイト全体でのキーワードの書かれ方


(6)URLにどのような単語が含まれているか


(7)Webサイトのトラフィック(アクセス数)


などがあります。


Googleアップデート


Googleのアルゴリズムの内容は正式には公開されていませんが、熟練したSEO実践者が試行錯誤を繰り返すことや、仲間内で情報交換を活発に行うことにより次々に見破られていくようになりました。


特に、ページランクのアルゴリズムは特許情報が公開されていることもあり、多くのSEO実践者が上位表示に効果のある被リンク元の集め方を知ることになりました。


その結果、内容の質が伴わないWebサイトでも上位表示に効果のある被リンク元を集めることによりGoogleの検索結果で上位表示してしまう現象が長年続きました。


そして上位表示に効果のある被リンク元を集める事がイコール、SEOだという誤った認識が世の中に広まることになりました。


こうした状況を打開し、かつてのような高品質な検索結果ページをユーザーに提供するためにGoogleは2つの大きなアルゴリズムに対するアップデートを実施しました。


パンダアップデート


その1つが2011年から実施されたパンダアップデートというアップデートです。


パンダアップデートというのはコンテンツの品質に関する評価を厳しくするためのアップデートです。


パンダアップデートの実施後は:


(1)他のサイトから文章をコピーしただけの独自性の低いコンテンツが多いWebページやそうしたWebページを擁するWebサイトの検索順位が下げられる



(2)同じドメインのサイト内にある他のWebページにあるコンテンツの一部あるいは全部をコピーしているだけの独自性の低いWebページの検索順位が下げられる



という2つの変化が生じるようになりました。


これにより安易に他のドメインのWebサイトから情報をコピーしたり、自社サイト内にある文章を安易に他のWebページで使い回すことが上位表示にマイナスになるという認識が広がり、コンテンツの品質に対して注意を払うことが重要な課題になりました。


ペンギンアップデート


2つ目の大きなアップデートがペンギンアップデートと呼ばれるアップデートです。


ペンギンアップデートというのは一言で言うとWebサイトの過剰最適化に対してペナルティーを与えるアップデートです。


過剰最適化には2つの側面があります。


(1)上位表示を目指すキーワードをページ内に過剰に詰め込むこと


(2)外部ドメインからのリンクを大量に増やすこと


の2つです。


1  上位表示を目指すキーワードをWebページ内に過剰に詰め込むこと


Webページは本来、ユーザーに情報をわかり易く伝えるためのものです。しかし、その原則を破り検索エンジンで上位表示することだけを考え上位表示を目指すキーワードを詰め込んだWebページが増えるようになりました。


その結果、同じキーワードがむやみに書かれているユーザーにとって見にくいWebページがGoogleで上位表示する現象が増えるようになりました。


こうした事が続くとGoogleの検索結果の信用が落ちるため、それを防止するパンダアップデートが実施されてからはキーワードを過剰に書いたWebページの検索順位が著しく落ちるようになりました。





2  外部ドメインからのリンクを大量に増やすこと


ペンギンアップデート導入前の時代には、誰も見ないような質の低いWebサイトからのリンクを大量に集めても検索順位が上がるという事がよくありました。


しかし、ペンギンアップデートが実施された2012年からは、そうした形だけのリンクを集めれば集めるほどリンクを張られたWebサイトの評価が下がりペナルティーを受け検索順位が下がるようになりました。


つまりGoogleが求めるようになったのは検索順位を上げるためだけの形だけのリンクではなく、実際にユーザーがそのリンクをクリックして訪問してくれる「アクセスが伴った」リンクへと変わったのです。


不正リンクとサーチクオリティチーム


ペンギンアップデートの実施後は、検索順位を上げるためだけの形だけのリンクを大量に集めるとGoogleは自動または手動によりリンクを張られたサイトに対してペナルティーを与え検索順位を著しく落とすようにしました。


そして不正なリンクを外さないかぎり検索順位は元の順位に復旧しないという厳しい処置をGoogleは講じることになりました。


(1)自動による不正リンクに対するペナルティー


自動によるペナルティーは、いくつかのGoogleが定めた基準に当てはまるリンクを大量に集めた場合にリンクが張られたサイトに対してソフトウェアにより自動的に適用されるものです。


(2)手動による不正リンクに対するペナルティー


自動によるペナルティーの基準では見分けがつかない不正リンクはGoogleが組織する「サーチクオリティチーム」が肉眼で不審なページをチェックして不正かどうかを判断するというマンパワーを活用しています。


サーチクオリティチームはGoogle General Guidelinesという品質ガイドラインに基づいてそうしたアルゴリズムだけでは判定できない不正行為を審査します。


また、スパムレポートフォームという検索ユーザーが不審に思うサイトを通報するツールから寄せられる大量の苦情からも不審なリンクを見つけるための情報収集をしています。


このようにGoogleはペンギンアップデートの実施以前はほとんど野放しだった不正リンクに対して断固たる処置を取るようになりました。そのため今日では自社サイトやクライアントのサイトに対して不正リンクを集めることは極めて危険なことであり、避けなくてなりません。


このガイドラインは2015年よりGoogleの公式サイトでも公表されるようになりました。






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