2、論理構造

 

論理的な動線のサイト


サイト構造の2つ目の改善余地が論理構造の改善です。


トップページから最下層のページまで論理的にリンクされた階層構造の方がそうでない場合よりも上位表示にプラスに働きます。


例えばトップページを「プリウス 中古車」で上位表示したいなら次のような階層構造ではマイナスになります。


【上位表示に不利なサイト構造】



この階層構造のどこが良くないのかというと:


(1)トップページを「プリウス 中古車」で上位表示しようとするならその下の階層のカテゴリページは2つともプリウスの中古車の一覧ページであるべきなのに、右側のカテゴリページは違う車種である中古のカローラ一覧になってしまっている


(2)しかも、その中古のカローラの一覧ページからリンクを張っている右側のサブページは中古のプリウスになってしまっている


(3)左側の階層構造を見ると中古のプリウスの一覧ページから新車のプリウスのページにリンクが張っていて突然新車のページになってしまっている


といういくつもの矛盾を抱えています。


上位表示に有利な階層構造にするには次のように論理的に矛盾の無い階層構造にするべきです。


【上位表示に有利なサイト構造】



これならばツリー構造の左側の第二階層のカテゴリページが中古のプリウスの一覧ページであり、その下には2つの中古のプリウスの詳細ページがあり、トップページではなく、第二階層の左のカテゴリページが「プリウス 中古車」で上位表示しやくなります。


同様にツリー構造の右側のグループは中古のカローラの一覧のカテゴリページから2つの中古のカローラのページにリンクが張っているので、そのカテゴリページは「カローラ 中古車」というキーワードで上位表示されやすくなります。


さらに、それら2つのカテゴリページの上の階層である第一階層のトップページが「トヨタ 中古車」で上位表示されやすくなります。トヨタという自動車会社にはプリウスとカローラがあるので論理的に矛盾はありません。


このような論理的なサイト構造を突き詰めようとすると何かの情報に特化した専門サイトを作ることが最善な解決策になります。



総合サイトと専門サイト


論理的なサイト構造にすれば検索エンジンがそのサイトが何をテーマにしているのかを理解してくれるようになります。


それを実現するための重要なポイントはWebサイトのテーマを何にするかを決める事です。


サイトのテーマがはっきりせずに様々なテーマのWebページをサイトに掲載するとトップページの検索順位が上がりづらくなります。


反対に、サイトのテーマを1つに絞り込んでテーマから逸れないコンテンツが掲載されたページを一貫してサイトに追加するとトップページの検索順位が上がりやすくなります。


様々なテーマのコンテンツがある総合的なサイトよりも、テーマを1つに絞り込んだ専門性の高いサイトの方が他の条件が同じ場合上位表示しやすくなります。


例えば、弁護士事務所が相続相談、交通事故相談、債務整理相談の3つのサービスを提供している場合、その弁護士事務所の3つ全てのサービスを鈴木弁護士事務所という総合サイトで情報提供するよりも、相続相談の専門性の高いサイトを作ったほうが相続相談やその他相続関連のキーワードで上位表示しやすくなります。




専門サイトのメリットとデメリット


こうした専門性の高いサイトを専門サイトと呼びます。


自社サイトが作られたばかりでサイト運用歴という実績がほとんど無い場合は、専門サイトを作ることが特に有効な上位表示対策になります。


専門サイトのメリットは:


(1)サイトテーマが絞りこまれているので上位表示されやすい


(2)検索ユーザーがその時関心のある情報ばかりがあり、関心の無い情報が少ないのでユーザーにとって見やすく、分かりやすい


の2つがあります。


一方デメリットとしては:


(1)一定数のコンテンツをサイトに掲載してしまった後、掲載する情報のネタを探すのが難しくなりページを増やすことが難しくなる


(2)上位表示を目指すキーワードの種類が多い場合、専門サイトを複数作ることになり、サイト運営の費用や手間がかかる


などがあります。


専門サイトを作るかを決める時には必ず継続的にコンテンツを増やせるテーマのものを作るよう心がけるようにすることと、サイトを更新し続ける体制を準備しなくはなりません。



複数の専門サイトを運営する際の注意点


このように専門サイトのほうが総合サイトよりも上位表示に有利な面がありますが、だからといってむやみに専門サイトを増やすことは危険です。


1つ1つの専門サイトに独自性があれば問題がありませんが、ある法律事務所が相続に関する専門サイトを1つ作り上位表示に成功したとします。さらに訪問者を増やすために少しだけ切り口を変えた相続に関する専門サイトをもう一つ別のドメインネームで作るとそれら2つの専門サイトの内容が似てしまうことになります。内容が似通っている専門サイトを複数作ると、どちらかの専門サイトがGoogleからペナルティーを受けるか、両方共ペナルティーを受けてしまいどちらも上位表示出来なくなることがあります。


法律事務所の場合なら、相続という1つの業務に関する専門サイトは1つだけにして、他の業務である交通事故相談の専門サイトを1つ、債務整理相談の専門サイトと1つというように:


1業務 = 1サイト


で専門サイトを作るのがリスクを回避してSEO効果を最大化する方法です。




支店サイトを運営する際の注意点


地理的に離れた場所に複数の支店を運営している場合、支店毎にドメインネームを取得してサイトを作る時は注意をしなくてはなりません。


【支店ごとにドメインネームを取得してサイトを複数持つ例】


渋谷店のサイト


http://www.suzukiya-shibuya.com


http://www.suzukiya-shibuya.com/goaisatu.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/aboutus.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/service.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/chukaitesuryou.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/otoiawase.html


池袋店のサイト


http://www.suzukiya-ikebukuro.com


http://www.suzukiya-ikebukuro.com


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/goaisatu.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/aboutus.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/service.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/chukaitesuryou.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/otoiawase.html


日本橋店のサイト


http://www.suzukiya-nihonbashi.com


http://www.suzukiya-nihonbashi.com


http://www.suzukiya-nihonbashi.com


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/goaisatu.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/aboutus.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/service.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/chukaitesuryou.html


何故なら、どの支店も商品やサービスの内容が同じ、または似通っているために掲載するコンテンツがほとんど重複してまうことがあるからです。


支店毎にドメインネームを取得してサイトを作る時は、各支店の責任者やスタッフが更新するブログを設置するなどしてその支店ならではの独自コンテンツを増やしていくように心がけて下さい。


そうしないと結局はほとんど同じ内容のサイトが増えていくだけになりGoogleのペナルティーの対象になります。



【支店毎に独自コンテンツをプラスした例】


渋谷店のサイト


http://www.suzukiya-shibuya.com


http://www.suzukiya-shibuya.com/goaisatu.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/aboutus.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/service.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/chukaitesuryou.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/otoiawase.html


――― ↓ この支店独自のコンテンツ ↓ ―――


http://www.suzukiya-shibuya.com/shibuya.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/blog/


http://www.suzukiya-shibuya.com/blog/2016/01/30.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/blog/2016/02/05.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/blog/2016/02/15.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/blog/2016/02/25.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/blog/2016/02/27.html


http://www.suzukiya-shibuya.com/blog/2016/03/01.html


池袋店のサイト


http://www.suzukiya-ikebukuro.com


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/goaisatu.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/aboutus.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/service.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/chukaitesuryou.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/otoiawase.html


――― ↓ この支店独自のコンテンツ ↓ ―――


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/ikebukuro.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/ikebukuro-links.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/blog/2015/11/04.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/blog/2015/12/23.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/blog/2016/01/07.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/blog/2016/02/29.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/blog/2016/03/01.html


http://www.suzukiya-ikebukuro.com/blog/2016/04/18.html


日本橋店のサイト


http://www.suzukiya-nihonbashi.com


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/goaisatu.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/aboutus.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/service.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/chukaitesuryou.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/otoiawase.html


――― ↓ この支店独自のコンテンツ ↓ ―――


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/nihonbashi.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/nihonbashi-map.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/blog/2014/08/20.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/blog/2014/11/16.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/blog/2015/01/13.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/blog/2015/07/30.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/blog/2015/12/28.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/blog/2016/01/09.html


http://www.suzukiya-nihonbashi.com/blog/2016/03/27.html



小さなサイトが大きなサイトよりも上位表示する理由


良く見かける現象としてGoogleで上位表示しているサイトにページ数が少ないサイトが上位表示していることがあります。


ページ数が多いサイトの方が情報量が多く、アクセス数も多い事がほとんどなので、ページ数が少ない小さなサイトが上位表示しているのを見ると多くの人が驚きます。


特に自社サイトよりもページ数が少ない小さなサイトが自社サイトの上に表示されているのを見ると不思議に思うだけではなく、理不尽に思うことがあります。


何故そのような現象が起きるのでしょうか?


それはサイト内にページを増やしていくうちに最初はテーマを絞っていたサイトが徐々に元々のテーマとは違った、あるいは逸れたページが増えてしまうからです。


例えばトップページ「家具 通販」で上位表示するためにはそのサイトには家具に関するページを増やしていくべきです。ソファやTVボード、本棚などは家具なのでこうしたテーマのページを増やすことはトップページを「家具 通販」で上位表示するためにプラスに働きます。


【サイト全体のテーマが絞られている小さなサイト】



しかし、そのうちに家具以外にも売りたいと思った雑貨類や家電製品などのページも増やしてゆくことがあります。企業は売上を増やそうとするものなので当然のことでもあります。ただそうなると次第にサイト全体のテーマが家具から逸れてゆき気がついた時には「家具 通販」での検索順位が落ちてしまうのです。


【ページを増やすことによりサイト全体のテーマが次第に逸れてしまい大きくなったサイト】



一方、ページ数を増やす意欲が低かったり、予算が無い場合などは最初に決めた「家具 通販」から逸れたページが増えないのでテーマが絞り込まれたままの状態になります。その結果、テーマが絞りこまれたサイトであることが評価され小さい規模のサイトなのに上位表示してしまうことがあるのです。


しかし、そうした小さいサイトはページ数が少なく情報量が少ないのでたまたま特定のキーワードでだけ上位表示することはありますが、サイトのアクセス数は少ない傾向が高いです。何故なら1つだけのキーワードでしか上位表示しておらず、他のキーワードでは上位表示が出来ていないために他のキーワードで検索するユーザーの目に触れることがほとんど無いからです。


反対に特定のキーワードで上位表示していなくても様々なページをたくさん持っている大きなサイトのほうが他の様々なキーワードで上位表示する可能性があるために様々なキーワードで検索するユーザーの目に触れるようになります。そしてアクセス数は多くなる傾向になります。


ではどうすればよいのかというと一度決めたテーマから逸れないページを無理せずに継続的にサイト内に増やしてゆくことです。


そうすることによって一貫したテーマのページを増やし専門性の高いサイトを作り上位表示に有利にすることが出来るのです。



総合サイトでも上位表示をする方法


先ほどまでは、専門サイトのほうが総合サイトよりも有利になるという事を述べてきましたが、どうしても専門サイトが作れずに1つのドメインネームで総合サイトを運営しなくてはならない場合はどうすれば良いのでしょうか?


それは、総合サイトの中にいくつかの専門サイトのような階層構造を論理的に構築して総合サイトのトップページでは無く、カテゴリページを目標ページにすることです。



確かに専門サイトのほうがそれでも有利なのですが、総合サイトの最大のメリットは専門サイトに比べて、様々なテーマのページを自由に追加することが出来るのでその分様々なキーワードで上位表示しやすくなり、たくさんのアクセス数を獲得しやすくなるという点です。


Googleはアクセス数が少ないサイトよりも多いサイトの方を高く評価するので総合サイトが専門サイトと比べて不利な点をアクセス数の多さが補ってくれるのです。


Googleで「交通事故 大阪」で検索すると大阪の交通事故相談を受けている弁護士事務所の専門サイトの他に:


大阪の警察署のサイトにある交通事故に関するページ


https://www.police.pref.osaka.jp/03kotsu/kensu/


大阪市役所のサイトにある大阪市内の交通事故の統計資料に関するページ


http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000004854.html


ニュースサイトの中にある交通事故のカテゴリページ


news.yahoo.co.jp/related_newslist/traffic_accident/


などの総合サイト内のサブページやカテゴリページが検索結果1ページ目に表示されています。


このような理由から専門性があまり高く無い巨大なニュースサイト、大手企業、政府のサイトのWebページがGoogleの検索結果1ページ目の上位に表示されることがあるのです。


ただし、上位表示をするためにはこれまで述べてきたような論理的なサイト構造にする必要があります。



次のページ:インデックス状況の確認 


 前のページ:ドメイン構造